久しぶりに卒業アルバムを開けた。無邪気な笑顔の自分がいた。

当たり前ですが、私はこの男の未来を全て知っている。
この男が卒業した次の年に、アメリカで同時多発テロがおき、多摩川にタマちゃんが現れ、イラクで日本人が拉致される等etc・・・。
もし、タイムマシーンがあったとしたら、この写真の男に言いたいことは山ほどある。なぜなら私はこの男がこの先どの様な人生を歩んでいくのかを知っているから。上からものを言えます。
でもその時ふと、この写真の男の視線を感じた。
逆に、この男は未来の私をどう見ているだろう？こんなはずじゃなかったと思っているのだろうか？
でもそれなら今も同じです。
もし未来の自分が今の自分を見ていたらどう思うだろう。きっと言いたいことがたくさんあるに違いない。
自分対自分。
やっぱり、未来の自分に文句を言われない人生を歩もう。そう思い卒業アルバムを閉じました。

こんな時代ですが、きっと笑って思い出せる日がくるはずです。その時まで精一杯頑張りたいと思います。

あみだ堂　能呂慎太郎